先日、お稽古にいっている服飾文化研究会の「日本の歳時記」をテーマに着物などの出展会(みなとみらいギャラリー)に行って参りました。五節句を中心に暮らしの中の年中行事をテーマに展示されていました。
着物にたずさわった事がある方、そうでない方にも日本の古き良き時代に思いをはせていただければ幸いです。
着物画像にマウスを当てクリックすると拡大しますので、マウスをゆっくり移動させてレトロな着物や帯の柄などもご覧ください。
熊谷講師に専門用語のふりがな(ルビ)の付け方を姉妹塾HPのテクガイドにUPしていただきましたので、頑張ってみました。
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暮らしの中のそれぞれの年中行事に合わせて懐かしい着物や飾り物を紹介をします。
お正月
昭和初期
訪問着
若紫色地 御所解模様
丸帯=白地 蜀江文に桐と花喰い鳥
昭和六十代
附下
梅鼠色地 遠山模様
江戸小紋(鮫)
袋帯(本袋)=平成期
唐花 鳳凰
羽織=昭和初期 幾何模様に染め鹿の子に小花と梅
昭和初期
訪問着
一ツ紋
瑠璃色の暈し地 金銀漆の霞 四君子の花 熨斗
※ちょうど光がさして裏地の笹模様が見えていました。
ひな祭り
昭和十年代お雛様
雛人形を飾って邪鬼を祓い女児の成長を祝います。この行事は江戸時代以降に急速に広まりました。
大正期の着物
手前:紅緋色地
牡丹 蝶 刺繍
後方:江戸紫地 花熨斗・薬玉
おひな様
端午の節句
下の幟旗は戦国時代、武将達が戦場において自らの存在を誇示し、所属などを旗指物といいます。その旗指物が平和な時代には男児の誕生を神様に知らせると共に成長と出世を祈願する
絵のぼりへと変化していったのです。
昭和初期
五月人形段飾り
昭和三十年代
幟旗
昭和初期
振り袖五ツ紋
水色地 杜若模様
平成初期の鯉のぼり
今は、兜と一緒に逗子の屋根裏部屋で眠っています
七夕の節句
七夕は祖先の霊を迎える前の禊の意味もあります。
中国に古くから伝わる織姫と彦星が年に一度だけ出会うという伝説の乞巧奠という風習が日本古来の棚機女の伝説と結びついたのが始まりです。
昭和十年代
長着(三ツ身)
壁絽 桜色地 風車文様
三尺帯=羽二重
昭和期
赤地 絞り
左側:昭和十年代
附下: 絽縮緬
深川鼠色と練色の暈し地 秋草
名古屋帯=練色地
秋草に蜻蛉
帯留=紫水晶 牡丹
右側:昭和初期 長着:薄物縮 菖蒲色地萩
袋帯=練白地 萩 露芝に撫子
重陽の節句 九月九日
奇数最大の九が重なることで重要とされ、酒に菊の花を浮かべた菊酒で邪気を祓い長寿を願ったことから菊の節句また、秋の収穫を祝い、栗の節句、御九日とも言われます。
菊の被綿
菊の花についた露には長寿の効果があるといわれ、前夜、菊に綿をかぶせた露で身体をぬぐう
習慣もありました。
大正末期
振り袖五ツ紋
黒地 枝菊に鶴柄
昭和初期
羽織
熨斗目花色地
菊立桶 花の丸
昭和三十年代
羽織
立菊
七五三
中央 前:昭和四十年代 祝い着(三ツ身)比翼付き退紅色地 桐 藤 菊と蝶
被布=昭和三十年代 紋綸子縮緬 紅色地
中央 後 :大正期 祝い着(四ツ身)五ツ紋 縹色の暈し地 柿色の壺垂れ 檜扇模様
右 側 :昭和三十年代 長着 一ツ紋 梅紫色地 鮫小紋
袋帯(本袋)=大正末期 唐獅子牡丹の銅鐸模様
左 側 :昭和初期 訪問着 鴇色地 檜扇 花の丸
袋帯(本袋)=昭和初期 藍色地 花唐草 牡丹
孫の七五三
昨年十一月
保土ケ谷区
神明社にお参りしました。三歳の被布を着ている孫は、長女の初着、お宮参りにあつらえてもらった着物です。七歳の孫の着物も長女達がつかったものです。
自分の子供達の時には、着付けてやれませんでした。やっと、孫達に着付けができるようになりました。
三月は小学生の孫の卒業式に女袴にトライする為に二月に特訓することになっています。
成人式も着付けが、できるように、更らに、結婚式の留袖も娘たちに着つけができることを、密かに夢見ています。
おおつごもり
昭和初期
女性長着
若紫色地 灰色 青朽葉色の縞 白割烹着
男性長着
伽羅色地 格子
火鉢上の鉄瓶
大正期 芝草
大正期
訪問着 三ツ紋
錦紗縮緬
緑青色の縞(両子持に六本縞)地の暈し
孔雀とひなげし
付録
昭和初期
長着 縮緬 緑青色地 枝垂れ桜に御所車
昭和十年代
NHKテレビ小説「おちょやん」関連番組「おちょやんレトロトリップ」
主人公 浪花 千枝子さんの生涯に関する場所を歩く女優さんが着たニコニコ絣です。
長着 綿
蘇芳色地 唐花と矢絣
ニコニコ絣(対称染・染絣)
着物関連用語
杜若 (とじゃく)
カキツバタの漢字表記
「いずれが菖蒲か杜若」の慣用句があります。江戸時代の中期にあやめの品種改良が進んだということ。水辺に咲いているのが、杜若。乾燥した土地に咲いているのが菖蒲だそうです。花ことば「幸運は必ず、訪れる」 素敵ですね!
比翼 (ひよく)
二羽の鳥が互いにそのつばさを並べること。
二枚重ねたように見せるため、着物の裾・袖などを二重にすること。ひよくじたて。
鴇色(ときいろ)
華やかでありながら、どこか落ち着きのあるこの淡い桃色は、その名のとおり、鳥のトキ(朱鷺・鴇)の羽の内側の色
伽羅(きゃら)
香木の一種。沈香,白檀などとともに珍重された。伽羅はサンスクリット語で黒の意。一説には香気のすぐれたものは黒色であるということからこの名がつけられたという。茶道では真の香とされている。
縹色(はなだいろ)
明度が高い薄青色のこと。
古くから知られた藍染めの色名で、藍色よりも薄く浅葱色よりも濃い色のことです。古くははなだ色、平安時代は縹色、江戸時代は花色といった。
長着 (ながぎ)
広く、着物をいう。男は対丈、女はおはしょりのある和服をいう。明治末期より用いられ、昭和初期に文部省の裁縫教授書に用いられて います。
縮緬 (ちりめん)
縮緬とは、生地の表面に「しぼ」と呼ばれる凹凸おうとつのある生地をいいます。
生地をつくる際、緯糸に強くねじった糸を用いてつくることで、「しぼ」が生まれます。糸をねじることを撚りをかけるといい、
縮緬の布を作るには、右に撚った糸と左に撚った糸を交互に織り込んでいきます。
四君子(しくんし)
梅、菊、蘭、竹の四つの植物を組み合わせた文様を四君子といいます。
着物の柄以外に茶の湯のお茶碗の絵柄にも使われています。
絽 (ろ)
絽の着物は、見た目に透け感があり涼し気に見える夏用の着物です。 平織ともじり織という織り方を混ぜ合わせたもので、夏の正装着物から帯揚げなどの小物、襦袢など。
薬玉(くすだま)
香料を袋に入れて造花で飾り、長い五色の糸をたらしたもの。昔、端午の節句に邪気をはらうため簾や柱にかけた。延命長寿、無病息災の願いが込められている。
現在ではイベント用の装飾、特に割り玉を指す
御九日 (おくんち)
秋祭の総称の一つ。重陽の節供(九月九日)の九日に、敬称の「お」をつけたものです。
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青木久美子 (水曜日, 02 2月 2022 16:52)
早苗月さん とても大作で驚きました。メンバーのホームページのトップを飾って頂きたいです。ゆくゆくはブログにうずもれないように引っ越しされて下さいね。私も娘の成人式は着付間に合いませんでしたから、そろそろやめようかと思っていました。でももう少し着付つづけようかと思いました。ありがとうございました。きっとみんなこの作品に触発されていろいろな作品が出てくると思いますよ。
竹辺 早苗 (水曜日, 02 2月 2022 20:16)
青木さんコメントありがとう!
実をいいますと、今回、背景画像を担当して、今、左右にある「うろこ模様」はWebからいれたものです。残念なことにWebの画像は、ほとんどクリアな画像になりませんでした。実写に勝るものはないだろうとスマフォで素敵な着物を一杯撮影して帰ってきました。思った以上によく取れていて、丁度、班でブログに挑戦する話があり、班長がまず、作成するしかないと、着付け教室の先生に伺いを立ててから、挑戦しました。教室のほうに提示してもおかしくないようにと張り切った次第です。
私も、着付けの方は、お稽古に行ったときだけなので、進歩がありませんが、今回の写真を見た方から、忘年会の時と比べたら、上手くなっているといわれて、素直に、うれしくなり続けていて良かったと思っています。
江原 節 (金曜日, 04 2月 2022 17:28)
忘年会で初めてのお対面でしたね!私も何年か前着付けをしておりましたので、
やはり気になりお声をかけたのがはじまりでしたね!
上達しましたね
お似合いですよ日本人はやはり和服です。長く続けて下さい。